■基本偏 1.


ブルーグラスの話


■グラス柄は
□ブルーグラス系が遺伝的に整理が出来ましたと告知してからまたブルーグラスについてのお問い合わせが増えてきましたので以前ひとり言でおはなしした内容といわゆるグラス柄などの再度整理して基本偏ということでお話してみようとおもいます。

□まずはグラス柄の話から
グラスグラス系ブルーグラスにいったん交配した
一代目のブルーグラス
典型的なグラスモザイク系のブルーグラスです。

感覚としてグラスとは尾びれに芝目模様が綺麗に出る表現をいっています。
しかし遺伝的に言えばグラスつまりガラスでありますから透明度が遺伝的に高くなる遺伝的な要因をさしています、ですから遺伝的にはグラシーズ(芝草)ではない訳です。
上記の画像をご覧ください、遺伝的にグラスグラスで揃ってくるといわゆるグラス柄は弱くなっていきます。
そこでモザイクの力を借りて今まで私たちが感覚的にグラス柄と言っているものを表現している訳です、しかしグラスモザイクという形で表現されているグラス柄はどうしてもモザイク表現に流れやすくしだいに荒いドット表現になっていきます。
上記の画像のグラスグラス系に近くなったブルーグラスのように繊細な柄を維持するのにはどうしてもグラスで揃っているラインが必要になる事がご理解いただけますでしょうか。
ここにグラス柄の秘密がある訳です。

□他の遺伝的表現でもブルーグラスは再現できる!
この固体はアイボリーグラスにブルーグラスを
交配したF1固体です。
この固体はもう少し複雑です、基本ベースはアイボリーグラスです、このアイボリーグラスの常染色体上にメラニンブルーをヘテロ状態で持っています、これでも綺麗なブルーグラス表現?になるわけです。

このようにブルーグラスのような表現をされるのにはまだまだ色々な手法があります、どこまでをブルーグラスというのかはブルーグラスに取り組んでいる個々の問題なのでしょうが、この日本独特のグラス表現の面白さをご理解いただけるとジャパングッピーの真髄にふれることが出来るのでは。
次はブルーグラスのこの美しい水色表現のおさらいです。

ブルーグラスは実はブルーをもっていない
□こうした繊細な柄で美しい水色表現のブルーグラスのRヘテロブルー構造の秘密は・・・・・・・・・・・・・・。

□2004年頃お話した内容なのですがひとり言で書いただけなので基本偏としてまとめてみました。
ブルーグラスは青色ではなく黄色というというおはなしです。

この画像はレッドグラスの尾びれの顕微鏡画像です。
こちらの顕微鏡画像はブルーグラスの尾びれです。

レッドグラスの尾びれが赤の色素胞があるのは解るのですが、このようにブルーグラスの尾びれには全く青といえるものは見えません。
つまりブルーグラスの尾びれのあの綺麗な水色はなんと青色を持っている訳ではないということになります。
これはまさに新発見でありました。

ではなぜ黄色があの綺麗な水色の表現になるのでしょうか?

□この画像は、グッピーの尾びれの表面細胞膜を顕微鏡にて撮影したものであります。
状態を見やすくするために染色されています。
こちらがブルーグラスの表面細胞膜の顕微画像です
こちらは非ブルーのグラスの表面細胞膜の顕微画像です

右側の非ブルーのグラスの表面細胞膜の顕微画像は整然と細胞が並んでいます、対してブルーグラスはほとんど細胞が破壊された状態で原型を留めているものが無いくらいです。

これがブルーグラスのあのきれいな水色表現した尾びれの秘密であります。
この細胞膜は何層かありその下に色素胞があるわけです。
つまり通常の品種では尾びれの細胞膜は整然とした状態で下にある色素胞などの色合いをそのまま見せているのに対して、ブルーグラスの場合は複雑に破壊されたような細胞膜は素直に光を通す事が無く下にある黄色の色素胞の色合いは乱反射され、われわれ人間の目にはブルーに近く写ると言う事になるのです。

と言う訳でブルーグラスは実はブルーニミエル(に見える)グラスであったという訳です。
なんとこれが我々が親しんできたブルーグラスのRヘテロブルーの正体でありました。
ご理解いただけましたでしょうか。

以下も参考に。

研究リポート 基本編.ブルーグラスって青色を持ってないって本当、マジ?

研究リポート 2・レッドグラスって知ってますか


Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi