グッピー雑談義-NO.7 続々・アルビノレッドテール・フルレッドの話

 これからの展望と手法

フルレッドは、4年目あたりからこの強烈な赤色は維持が難しいと言われてきました。
この指摘の根拠を判りやすくお話いたしますと、たとえば金魚で置き換えますと出目金はご存知と思いますが、彼らが目が突出する事はあ る意味で病的なもので決して彼らに好都合なわけありません。
視力もかなり弱いようですしマイナスの要因である事は間違いありません。
基本的には自分たちが生活しやすくより快活に繁栄するように変化していくのが自然な形です、しかし現在の金魚ここでは出目金は崩れて いく事無く代を重ねています。
これは、金魚の持つ歴史のなせる業なのでそうです。この何百年間の時の中で出目金は目が突出することが品種的にマイナスにならなく なっているのだそうです。
なぜこんな話がでるのかと言いますと、フルレッドのこの赤色は金魚の話の当てはめた場合まだその段階に達していず出目金のように は行かず、フルレッドの赤が品種的にマイナスの要因で、そうでなくなるにはまだかなりの時間を要するだろうしまあ維持が難しいのでは ないかと言うものでした。

確かに、フルレッドをご購入いただきましたお客様のお話をお聞きいたしましても、赤味を重視して強い淘汰をした所ではすぐに代が続 かなくなりどちらかと言うと体格の重きを置いて淘汰された所では体格がよくなるにつれ強い赤味は消失しています。
あまり何もせずにどちらかと言うとドンブリ気味にお飼いになっている所はうまく続くのですが。
そんなこんなで、私の所では経験的にメスを淘汰せずに幅を持たせて繁殖をしていました。
毎年のグッピーコンテストのたびに
「まだ居るんですカ」
と言われているのですが今回の揺れでは品種的に単一方向も向いていまして仔が採りづらくなっていることを考え合わせるとこうした可能 性が高いと思われます。
こうした状況では、とにかく代を繋いで待つしかないと言われています。
今までこういった遺伝的な要因を長期に渡って見ている方が少な く現在の所手探りといった所です。

まあ、現在の所オリジナルなものは時間待ちとして、2年ほど前からこのフルレッドの赤色を相性良く取り込んでくれる品種を探してドイツ イエローと交配の後、色々な品種と交配を試みるようにしています。
受け皿探しと言う訳ですネ。
リスト上にフルレッド第2系というのがおりますね、これはフルレッドの体質改善を狙ってUS系ゴールデンレッドテールを交配させたもの です。
オス・メス交互に交配してみましたが、フルレッドのオスにUSゴールデンレッドテールのメスの交配がフルレッドの雰囲気を良く 引きずっています。
残念ながら赤味は今ひとつなのですが、F1から背びれがかなり赤くなっていますので現在F6ですが期待ができます。
この第2系からまた新たなことが判りそうです、生まれてくるオスの仔の中に5ヶ月ほどすると尾びれの真ん中が透明に赤色が抜けるもの が現れました、ここれは・・・・・・。

一般にレッドテールと言われるタイプは尾びれが二重に構造になっています。
つまり赤色の単色の下地はモザイクになってる事はご存知と思うのですが、言い換えると下地がモザイクでないと尾は単色には今の所 ならないのです。
その尾びれが透明に抜けると言う事はもしかして下地がないとうゆうことでは?
ここで、一つアイデアが浮かびました、ピンテールと交配して見ようと言う試みです、何故かと申しますと下地がないとはもしかして ワイルドにような体形が下地にあるのでは?
ここでフルレッドの初期を思い出しました、たしかメスの尾びれは無地であったような。
十分に可能性があります、現在リスト上のレッドテールタキシードラウンドテールがそうです。
まだアルビノとして安定させてはありませんが面白い方向です。

私の所の品種のなかで、アルビノオールドファッションレッドテールはうまくいった例の品種です、たいへんご本家に近い赤を出してい ます 。
理由はわかりませんがオールドファッションとレッドテールの相性があまり上手くないようでなかなか代が続かず、現在のタイプ は3回目のチャレンジものです。
今の所多量に繁殖させることで上手い具合に代を重ねています。
このタイプが現在の所一番フルレッドに近い色合い(強い赤色)をもっています。

先月よりリリースいたしまして、人気のありますアルビノギャラクシーレッドテールも割合上手くフルレッドの赤色を取り込んでいます。
どうも複雑な品種の方が上手くフルレッドの赤色を取り込んでいるような気もしない事はないですが?
これから先逃げ道が多いからかな、推測の域をでませんが。
このようにして、現在じみちに受け皿探しをしています。

以上、フルレッドの現状です。このように一の品種からでも、多くのことをグツピーは語りかけてきます、ただ乱暴に交配をするのではなく長い目で付き合って見るのもいいものです。
まだまだ多くのファクターをグッピーは抱えているようです。