グッピー雑談義-NO.5 アルビノレッドテール・フルレッドの話

 フルレッドのはじまり

最近、
「あの赤いグッピーは」
とか
「フルレッドてなんですか」
海外の方からも

などと、お電話やメールをいただくようになりました。 そもそも、このフルレッドという名前はは、身内の(私の店にお出かけいただいていて身内みたいな付き合いをしていただいている方々) の間で余りにも赤いグッピーなので呼んでいた愛称でした。
“グッピーの飼い方育て方”で使ったのがあちこちに一人歩きしているようです。 このタイプのもとは、かれこれ7年ほど前になります。
当時は現在のような感染症の話もまったくなかった時代で、結構輸入グッピーの中から変わったものを抜き出して交配なぞ平気でできる時 代でした。
そんな折、問屋さんのリストに“アルビノレッドテール”が乗りまして
「これは買わなきゃ」
てんですぐにオーダーしたのですが、届いたものは惨憺たるもので、病気てわけではないのですがとにもかくにもほとんどが干物状態で結 局オス1尾しか残りませんでした。
オスのみではどうにもなりませんので、とりあえずいわゆる国産のアルビノレッドテールに交配いたしたのが始まりでした。
後はだらだらと“ドンブリ飼い”していたわけですが、時を重ねるにつれ妙に赤身の強いものになって来まして、また体の大半の部分に赤 色がでまして“フルレッド”呼びたくなるようなタイプになりました。
当時のタイプは、生後14日ほどでオスは尾びれがオレンジ色になり、メスは尾びれが透明のままで随分とオスメスを区別しやすいタイプだ なといった印象があります、この時にメスの尾びれが透明と言う所に注目していればもう少しあとの展開が楽だったかもしれません、 今思えばですが・・・残念ながら。
当店得意?の“ドンブリ飼い”ですから、最初に交配させてから何代になるのかわまったくわかりませんが以後他を混ぜる事無く現在に 至っているものです。
このフルレッドの赤色は大変に魅力的な赤色で、一度この赤を見てしまうといままでの品種の赤がまったく赤く見えなくなってしまうほど の色合いです。
しかし、美しいものにはトゲがあるの例えどうりで、オスは体が小さく尾びれが綺麗に三角に広がるものは生まれてくる仔の10%ぐらいで す。 現在のフルレッドは、こうした悪性?が赤味が増すにつれ強くなっているように思われます。

他の品種との交配は

こうした悪性?の改善?を兼ねフルレッドを他品種に交配する仕事もこの7年間のなかで色々と行っております。
他の品種と交配させた場合、基本的にはご本家のフルレッドの赤に比べどうしても赤が弱くなるようです。
交配する品種によってはほとんどオレンジ色(とは言うものの一般的な朱色っぽい赤ですが)になってしまいます。
ドイツイエロー(まあ当然ですネ)・アルビノレッドテール・レッドグラスなどに交配させましても殆どフルレッドの赤は引きずりません でした。
ただし、これらの交配したものでも同胎で4世代ほど代を重ねますと代が進むにつれ徐々に赤味はまして行くようですが。
フルレッドもそうですがレッドテールといわれる品種の一連は多品種と交配した場合うまくレッドテールを表現してくれても初期もうちは 背びれは白くなりますので、
「このタイプはまだ代が行ってないナ」
とか、同胎で代押しているのに背びれが赤味が増してこない場合は、
「この交配は相性の無理な部分があるナ」
と判断できます。
まず、3年ほど前になりますか、尾開きの改善にと考えドイツイエローリボンと交配させてみました。
ちなみに、この時この赤色をなかなか受け入れないのが判ったのですが、やはりドイツイエロー独特の白色?がかなり邪魔をします。
しかし、レッドグラスやアルビノレッドテールを使うよりまだこの赤を受け入れやすいのは面白い所です。
アルビノレッドテールについては、後日ですが代を重ねて来て納得したのですが体形や色にこだわり強めに淘汰を重ねますと同胎で採って いるのにも係わらず仔にいきなりあの朱色のアルビノレッドテールが分離してきます。
このアルビノレッドテールを集めましてメス側は判断がつきませんので同胎のメスを使い仔を得ていきますとこの普通?のアルビノレッドテール の出現する率が極めて高くなり代を重ねると共にフルレッドは仔に見られなくなります。
ここで面白いのは、フルレッドの出現が減れば減るほど体格は戻り尾びれも綺麗な三角形になって行きます。
当然の事、フルレッド独特の強い赤色は見られなくなります、ドレッシング見たいなもので最後は分離してしまうてことかも。
話を戻しまして、ドイツイエローリボンとの交配は何度もフルレッドに戻す方法と代を重ねる事で何とか赤味も戻りリボンの影響か尾びれの 整ったものもそこそこ生まれるようになったのですが。
その時期を過ぎますとやはり元の木阿弥で小型化尾の乱れは根本的な解決になりませんでした。

つづく