店長のつぶやき・グッピー編

この頃のグッピーの仕事状況の進展などをそってつぶやきます。

久しぶりに新しい品種に手を染めています。
もともとは外国産の個体たちですので、まずは感染症対策から始め、代を重ねることで品種の特徴がいくらか見えてきた段階で、ようやく販売に至りました。

まずご紹介するのは、「ダンボグッピー」です。
日本に入ってからすでにかなりの年月が経っているようですが、黒く大きな胸鰭を持つ独特な風貌がとても魅力的で、以前から興味を持っていました。
ただ、輸入グッピーというハードルが高く、なかなか手を出せずにいました。
今年、縁あって状態の良い個体を譲っていただくことができ、ようやく挑戦することに。
詳細についてはさまざまな情報が出回っているようですが、やはり実際に飼育・繁殖してみないと分からない部分が多いですね。
今回迎えた個体は、ダンボでプラチナ・タキシード・レッドクラス柄という構成で、生まれてくる仔もおおむね似た表現になっています。

もう一つは「丹頂グッピー」です。
この表現は随分前、まだ『フィッシュマガジン』があった頃に、東南アジアのファーム紹介の中で画像が掲載されていたのを見たのが最初の出会いでした。
当時は自分のグッピーの表現要因にかかりきりで、市場の動向をあまり見ていなかったのですが、親しくさせていただいているドクターM氏との会話の中で、「丹頂グッピーなら今は普通に市場に出ているよ」と聞き、以前から興味があったこともあり、いつかは…と思っていた品種でした。

今年に入り、ようやく現在の飼育環境でも管理が安定してきたため、夏の保温の心配のない時期に、温室とは別の場所に容器を並べ、感染症対策を施したうえで、久しぶりに仕入れを行いました。

ただ、なかなか状態の良い個体に出会えず、感染症の兆候が少しでも見られるものは、そのロットすべてを処分するという方法を繰り返しました。
改めて、感染症の脅威がまだまだ収まっていないことを痛感しました。
いろいろなルートから導入を試みましたが、結局5回目でようやく状態の良い個体に巡り合うことができました。
輸入グッピーを扱うリスクは高いと分かってはいたものの、やはり大変ですね。
現在は代も進み、順調に繁殖しています。すでに大きめの水槽で自然繁殖も順調に進んでおり、ようやく販売できる状態になりました。
とても独特な表現で、「丹頂」というよりは「面被り」といった印象でしょうか。真っ赤な頭と尾びれ、白い胴体、そして体色はゴールデンのような美しい色合いです。なぜか尾びれが付いていませんが、この辺はこれからの課題ですね。
この「丹頂」という表現要因についても、さまざまな噂が飛び交っていますが、今後の展開がとても楽しみです。

今日は最新のお話です。
まだきちんとした説明をアップしていないのですが、「タイガーウィーンエメラルド」という個体が登場しており、独特な雰囲気を醸し出しています。
表現としてはタイガーで統一されており、ウィーンの特徴として赤味の強いものと、いわゆるウィーンエメラルドのグリーンがかった個体の両方が現れています。
さらに進展があり、これらの個体にスワローの表現が出始めています。
おそらく、タイガー化する段階で持ち込まれたものと思われますが、これがなかなか個性的です。
ソード系のスワローも魅力的ですが、タイガーのスワローとなると非常に面白い存在です。
このタイガースワローの個体から次世代も取れ始めており、どのくらいの比率でスワローの表現が現れるのか、今後がとても楽しみです。
私のところのスワローはリボンスワローの場合もあり、その構造だと扱いやすいのですが、かなりの変わり者でもあります。
先日の延長になります。
久しぶりというか、何年ぶりでしょうか――ブラックタキシードから牧野信二先生の『グッピーの魅力』を改めて見返しています。
今のような「モザイク」や「グラス」といった表現枠はまだ存在しておらず、「ファンテール」という表現が頻繁に登場します。
紹介されている個体は、現在のグッピーの表現の原型とも言えるものばかりで、今見ると非常に刺激的です

日本で再構築される前のタイガーグッピーなども感動的ですね。
写真で見る限りですが、すでにアイボリーらしい表現が見られ、この時代から少なからず現在の表現に影響を与えていたことが想像でき、グッピーの奥深さを改めて思い知らされます。

ブラックタキシードも長く続く表現ですが、驚くことにこの時代にはすでに現在と変わらぬ「フラミンゴ」の画像が紹介されています。
当時、私は学生時代でしたが(歳がばれてしまいますね)、このフラミンゴを購入した記憶があります。
あの頃はまだ諏訪の平にもデパートが営業していて、屋上近くに観賞魚コーナーがありました。「諏訪に初めて入ってきた」と説明されたのを今でも覚えています。
当時、熱帯魚というものにはある種の高級感がありましたから、親には「ずいぶん贅沢なものを」と叱られながら飼育していたものです。
それにしても「フラミンゴ」という品種は息の長い存在ですね。
今でも「グッピー」と聞くと、真っ先に名前が浮かんできます。
久しぶりに懐かしい思い出を振り返ることができました。
最近、珍しいというか、懐かしいというか、久しぶりの品種が入ってきました。ブラックタキシードです。
ダイレクトに輸入されたもので、時間をかけて感染症対策を行い、確認を重ねながら代を進めて、ようやくお目見えとなりました 。
とても新鮮に映るのが面白いですね。

日本で最初に登場したのは昭和44年初版、牧野信二先生によるカラーブックスシリーズの一冊『グッピーの魅力』という書籍です。そこでは「タキシードを着る夜のジェントルマン」と紹介されています。
今見ると何とも昭和的な表現ですが、そのノスタルジックな雰囲気がたまらないですね。私だけでしょうか。
構造的な変化は今さらですが、こうした表現が60年近くも維持されていることは驚異的で、素晴らしいことです。

当時の表現のように、鼻先に黒があり、胸鰭が黒く、黒い尾びれというタキシードの特徴は今も変わりません。
また、尾びれはデルタというよりもウチワ型で、まさに当時のまま。いいですね。
風の噂では、最近はタキシードが常にいるというような話もあるようですが、代を重ねていけば、当時にはなかった新たな発見があるかもしれません。
先が楽しみです。たまには違う畑のものに触れるのもいいですね。
最近は自分の世界で手一杯でしたが、首を痛めた影響でゆっくりせざるを得なくなり、かえって他のことに目を向ける時間ができたのかもしれません。

代が進んできて、表現的にはほとんど同じように見えるのですが、稚魚時代の表現の出方がなんだか面白いというか、最初はタキシードの特徴が現れず、後から徐々に出てくるような個体がいるような気がします……まだ何とも言えませんが、どうなることやら。
とにかく、感染症だけはクリアできていますので安心です。
何かにつけて、グッピーは話題が尽きませんね。
キングコブラとは何か。定義としては「レースモザイク」で、ニアイコールの関係にあります。

表現的には、コブラ模様のボディにグラス模様の尾びれを持つ個体ですが、現在「キングコブラ」と呼ばれるものの多くは、実際には「グラスコブラ」である場合が多いようです。今いるコブラはブルーグラスから出現した個体を展開したもので、らしい雰囲気が出てきています。

昔ながらの、いわゆる「グリーンキングコブラ」を目指しているのですが、なかなか理想には届かないというところです。この「グリーンキングコブラ」というネーミングは、コブラの構造を的確に捉えていて、キングコブラとしてまとまってくると、必然的にボディの色合いはグリーンに傾いてきます。
これは、グッピーの下地が紺黒であるため、コブラ模様の黄色がその上に乗ることで、青と黄色が混ざり合い、見た目としてはグリーンの色彩表現になるわけです。

また、この「コブラ」と呼ばれる模様の表現は、皮膚が割れるというか、裂け目の部分がメラニンで補正されることで現れます。人間で言えば、擦り傷が治るときにできるかさぶたのような状態で、これがコブラのような細かい模様に見えているわけで、まさに「コブラ」とはうまい表現ですね。

このコブラ模様は、丁寧に飼育すると比較的細かな模様になり、荒く飼育すると粗めの模様になる傾向があるようです。まあ、体の裂け目であるゆえに当然と言えば当然なのですが……

あっ、面倒な話に走ってしまいましたね。今日はこの辺で。
長らくひとりごと――いえ、つぶやきができずにおりました。二年のブランクを経て、なかなか再開に至らずにいましたが、体調と相談しながら、少しずつまた歩みを進めてまいります。改めまして、再開にあたり、どうぞよろしくお願いいたします。

再スタートということで、まずは軽やかに始めてみましょうか。情報は十分に充電済みですので、さて、どこからお話しすればよいのか……。
まずは近況から。

長らく煮詰めていたブルーグラスが、ようやく思い描いていた形に近づいてきました。現在はグラスファンテール系が主力となっており、これからの展開が楽しみです。
ブルーグラスの表現としては、あまり強い影響が出ないのですが、レッドグラス側では、ボディ全体が赤く染まる「レッドレッドグラス」という表現が面白く、注目しています。この赤が強く出る個体は、サイズが大きくなる傾向があるようで、現在注視しているところです。

次に、ドイツイエローのお話を。
こちらは長らく凹んだままで、じわじわと立て直しを図っていたのですが、一度崩れると、そのラインだけでの再建は難しく、今回は遠い品種との交配を試みることにしました。基本に立ち返り、グラスとの交配を行ったラインと、アイボリー系グラファンとの交配によるラインの二つでスタートしています。
ここに来て、双方ともに「らしさ」が見えてきました。まだ販売には至りませんが、やはりアイボリーが入る方が、無地の表現に至るまでが早いようです。
ただ、「それ、ドイツじゃないじゃん」と突っ込まれると少々痛いところですが……まぁ、ドイツの定義の問題ですね。

次はキングコブラのお話に移りたいところですが、それはまた後日に。