店長の独り言
                             

■03月21日
申告もやっと終わったので久々先週のお休みに少し息抜きを兼ねて伊那まで出かけてきました。
諏訪の平とは多少風土が違い、なんとなく広々として良いところです、大きい産直市場でシーズンで蘭のセールをやっているというのでついでに覗いてみました。
そろそろシーズンも終わりという事で随分と値引いておりやめとけばいいのにまた・・・・・・・・・・・・・・・・・・有名どころの蘭園のものを見つけてしまい少々くたびれていましたが値に負けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
今年は随分とデンドロビュームには縁があるようですね、こりゃ後が大変だ。

 

■それではバイオレットグラスの続き

私のところでもアイボリーを煮詰めている中でバイオレットらしい雰囲気の固体は単発的に出現はしたものの遺伝的にアイボリーが揃って代を追ってくるとそうした表現は見られなくなった。

日本に入ってきた初期のアイボリーはベースがファンテールだった用で、アイボリーはヘテロ状態でも幾分色彩表現に影響を与えるため抑制された赤色のアイボリーに見える色合いがファンテールの黒が墨流し状に流され黒味がかったムラサキに見えた用で、市場でアイボリーをバイオレットと呼んでいた時代もあるくらいですから。
しかし遺伝的にアイボリーが揃ってくるとそうした表現は無くなり現在はきれいな白というより象牙色の表現になっています。

とった経過もあり、バイオレット表現というと印象的にアイボリーがらみという感覚をどうしてもぬぐいきれずに今までいました。

そんな中で私が体調不良にて管理ができずにいた時に貴重な昔からのブラックタキシードがメスだけになってしまい立て直しを迫られましてY型ダブルソードのオスと交配させて展開させました。
そのF1仔のたちをグラスに交配させた中に非常に透明度の高いムラサキ色のグラス表現の固体が出現してきました、目的はブラックタキシードにありましたので最初は目もくれずに飼育していたのですが、何腹か仔をとるとポロリポロリと仔の中にこのムラサキ色の仔が目に付くようになりました。
当初は淘汰するつもりでしたので明かりも無い水槽でしたが抜いて見るときれいなムラサキ色のグラスでした、いわゆるアイボリーの噛んでいる下地の白いものではなくベースは透明なムラサキ色でありました。

これはということになり分けて飼育して見ますと成長とともに下地が白まではいかないですが幾分部分的にごる部分で出るものまったく濁りの出ないもの黄色実の強いものとったバターンになりやはり透明度ある固体はきれいにムラサキに表現されます。
しかしこの段階でメス側はまったく選別のすべが無くオスから構造を想像するしかありません。

こうした場合、通常オス側のムラサキ表現の出現の比率を見てメス側の表現の中で比率の近い数からメスの表現のあたりメスを探すのですが、今回の場合メスの表現は無地のものといわゆるグラス系のメスのような尾びれの黒い墨メスのバターンで、オスに表れるムラサキ表現の出現率に見合うようなメスは見出すことができません。

このままではラチガ無いのでとりあえずムラサキ表現のオスにアイボリーグラスのメスを交配させてみることにしました。
交配の発想はどうしてもムラサキ色ニアイコールアイボリーという感覚がどうしてもありましてとりあえずやってみるという古い古い戦法であります。
得られてきた仔たちの表現は大変に興味深いものでした。

メス側の表現はやはり?グラス系メスの表現のみでした、しかしオス側は大変に引っ掛かりのある表現が得られました。
まず、ブルーグラス表現そしてほぼアイボリーグラスの表現、そしてムラサキの表現、ここからが面白いのです、尾びれの表現は大半がアイボリーグラスのなのですが、アイボリーグラスの表現が抜けたというか表現されない部分は透明度のあるムラサキ色になっている個体が得られました。
今回得られ仔たちからは、ここで面白い?のはレッドグラスの表現が全く表れてきませんでした、
これをどうとらえるかは大きな問題です。

そこで全く勝手な仮説をたててみることにしました、ほんとに勝手ですから全く根拠はない話でしから足からづ。

まずブルーグラス表現が出るということは当然Rヘテロのものがいるということ、しかしレッドグラスの表現の個体はいない、つまり赤は抑制されている可能性が高い、がアイボリーとしては交配的には現在F1である。

ここまでの考察から元の親がアイボリーと組んで赤を抑制する因子をもっているとお考えられる、まず一つ。

こう仮説するとアイボリーグラスの表現が出て来ても一応納得できる、ここからが問題の部分なのだが、アイボリーグラスの表現が抜けた部分がムラサキになるものこれがムラサキ表現の元凶と仮説してみた。

つまり、アイボリーで抑制できる赤の部分はアイボリーの表現になる、これに対してアイボリーで抑制出来ない赤の部分がムラサキの表現になる、と仮説してみた。
ですから、アイボリーで抑制出来ない赤のみでアイボリーで抑制できる赤をすべて排除すると透明度のあるムラサキ色の個体が得られる、こんな感じ。
ここでのアイボリーの仕事は、アイボリーで揃っていて、アイボリーで抑制できる赤が無いことを確認するために必要という仮説がなりたつのでは、いわゆるモスコーブルーのタイガーのような働きと考えると非常に胸に落ちるのではないか・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

まぁあくまでも仮説ですが、同じ交配を後2腹とってあるますのでもう少し数字がほしいところです。
この図面が当たっていればムラサキのグラスも非常に安定した品種になるはずですが・・・・・・・・・・・・・・・・。
うまくいったらまたその内に最新の情報にてもご報告を。

■ドットパールの現在
このドットパール最近大変に表現が良くなった品種です、もともとはなぜドイツイエローにグラス柄が出せないものか?コントラストで見せるドイツイエローに柄が出せればまた一つ芸が出るのでは、という単純な発想からはじまった品種なのですが。

これが意外に難しいのであります。

良くお客様とのお話の中でドットパールはアイボリーのタキシードと思われている方がおられますが、残念ながらそうではないところがみそ?であります。
単純にアイボリーのタキシードであればアイボリーグラスタキシード、つまりグラスタキシードが成立した訳でそうはなかなかそうはいかんのであります。
なんどもお話するのですが、ドットパールの場合メスが非タキシードであるというところがネタであります、厄介な話がお好きな方は是非考えてみてください、まぁその話は古いはなしとして。

続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・