■研究リポート 250.

迷走?するグラス柄

■2020年5月の個体
■一応レッドグラスを表現しています。

今までグラスを表現(ここで言うグラスとは尾びれに細かいドットの芝目模様を表現するものを指したいます、構造上のグラス要因とは別と理解しておいてください)をするものは、まずはグラス、そしてグラスモザイク、最近ではグラスファンテールが主流になってきているというお話を間を置いてお話してきました。
ここでご覧いただいている画像の個体は強いて言えば割合と古くから現れていていろいろな呼び方をされていました。
腰の部分にいくらかですが細い縦バンドが見て取れます。
これはコブラの残党であるとかいやこれはこうだというお話をお聞きになった方もあると思います。

この個体はブルーグラスの尾びれのグラス柄表現をきれいに表現させるために、終始キングコブラ、強いていうなればグラスコブラこの交配を繰り返されてきた個体たちです。
簡単に言えばグラス表現をキングコブラの尾びれからは拝借したということなのであります。
キングコブラといえば確かに小細工をしなくてもきれいなグラス柄を表現していますものね、手法としてはうまい方法とは言えます。

で、こうした交配がまぁたまに行われる分にはグラス表現の個体としてはさほど問題はないと思われるのですが、この個体たちのようにこうした交配が日常になった個体はどう変化したのでしょうか?
日常的に交配が繰り返されグラスとコブラの棲み分けがだんだんにゆるくなっていく、それがこの個体で実のところこうした個体からは日常的に、普通にといつたほうがいいのかな生まれてくる仔達にコブラ・レースがランダムに混ざるようになります。
この出現は遺伝的な要因による出現比率は全く無視したものになります。

要するにこれはすでにコブラ、基本的な構造はグラスコブラになっている訳です、腰の模様はコブラ柄を表現しきれていないだけということになります、つまりこの個体はコブラそのものな訳です。

ではなぜあれだけ強く?表現してくるコブラ模様が全ての個体にきれいに表現出来てこないのか・・・・・・・・・・・?
これはグラス側の赤の要因が強く影響を与えていると想像出来ます。
つまりコブラは赤の抑制因子の一つであることはご存知と思いますが、赤が今度はコブラを抑制しているという可能性、ここ数年コブラ表現の減退が著しいのはどのコブラ絡みの品種にも言えることなのですが、この辺も要因の一つになるのかもしれません。
コブラを交配させれば必ず仔にはコブラ表現が得られる時代では無くなってきているようですね。

この個体について整理してみましょう。
これはグラスコブラで、赤の表現が強くきれいにレッドクラスを表現する個体であればあるほどにコブラ表現は消失する・・・・。
また、ブルーの部分はどうなるのかというと、赤が強く表現されない部分は赤が無い訳ですから青くはなれず、赤が強く表現された個体でも画像でご覧いただけるようにコブラが消えきっている訳では無いので、コブラは黄色の要因ですからどうしても青くはなりづらく黄色になる。
で、赤の弱いものはコブラになるので、きれいなブルーの個体を得るのは皆無いに等しいと言えます。
ゆうなれは、美味しいものは一度だけというとこれでしょうか。

もう少し・・・お話を続けてきて、「あれっ」とおもった方もおれれますでしょうか?
そうなんですね〜グラス柄が出てコブラ模様が出ないそして赤でもなく青でも無く黄色がかる・・・・そうつまりこれは広くとれば、レオバードになってしまっているということになるのでは・・・・・。
こんな状況を博学な先生にしたところ、一頭両断「はぁレオパードだは」でことは終わりました。

こうしておはなししてみましても、現在のグッピーは各個体が長年の交配?交雑?の恩恵?でかなり複雑になってきていて一昔前の交配結果ではほぼ参考には・・・・・という感がありますね。

現在私もやってはいるのですが、少し落ち着いて各品種を整理していかないうと過去の品種になるものが多々でそうですね。

しかしこうした方法がまずいという訳でではなくひたすら安定した品種の表現を得るのにはある程度のチャレンジは当然必要ではありますね。


Canon EOS 50D・EF100mm  F2.8 マクロ   Photo/S.kobayashi