■番外編.4


チップフィルターの話

グッピーの飼育の新しい方向性です!
 



■ 水槽 データー
サイズ 1800mm×360mm(高さ)×450mm
照明 LED電球 5.6W 3灯 1WLEDランプ 赤2 青2 10時間照射
チップフィルター 2台 フィルターに送るエアーで加温 約27℃〜16℃(冬場)
細目 砕石による嫌気性フィルターの併用
水換え無し・水足しのみ


住人 ウィーンルブラの自然繁殖・少々のラムズホーン
プロフード・ペビーフード

水中下部 アメリカンスプライト・ウォータースプライト・ウイローモス・ミクロソリュウム
水上部 ヤマサキカズラ・モンステラ・ポトス・オキシカルジウム・ベコニア
状態によりプラントフードの添加

■以前2008年頃だとおもいますが「水替え不用の水草水槽の話」ということで番外編3.で一度この辺は簡単にご紹介いたしましたが、かれこれ10年になりますしここでお客様から、最近お付き合いがはじまた方ですがわざわざおでかけいただいてまでのおはなしでしたので少しですが、2006年当時と比べますと結構追及されてきましたこのセルロース分解菌主体によるこのシステムにつきまして展示水槽をご紹介しながら、補足をしてみたいと思います。

初期セットが2006年で昨年リニューアル工事の時 移動を余儀なくられるまで水替えらしい水替えはほとんどしていない水槽でした。
移動時も水を移動できる分量キリキリ抜き丸洗いはせずそのまま移動いたしましたのでかれこれ10年になる水槽です。

その後は 昨年の移動からそのままの水の状態です。
水槽サイズは、1800mm×360mm(高さ)×450mmです、水槽オーダー当時に高さより奥行を持たせて水草用にしたものです、高さが底砂をいれると300mmくらいになるので光量もムリのないワット数で十分に水草を育てることができ、まぁ最近ではLED照明になっているので一段とライニングコストのかからないものになっています。
照明の笠は当時?何百ワットも使っていた水銀灯用のものをトランスを外し流用しています、今ですとこれ一灯で店ごと明るくできそう・・・・時代ですね。
しかしさすがに当時高額だけのことはあり、あのころ電気関係のお仕事のお客様でしたか
「こんなの笠の値段だよほとんど」
とおっしゃっていましたがなるほどとおもいました、確かに笠に入れた方がこの5.6WしかないLED電球ですがかなり明るくなります、見た目でわかるくらい違います。
まぁ金額だけのことはあったか・・・・・・なか、余談です。

で、いつもこうした水槽が初めてお出かけいただきましたお客様と話題になるのは水替えをする事無く水足しだけでかなりの数グッピーも増えている中水の透明度も高く維持できているという部分ですかね。
まぁだいたい、お客様の興味は何もしなくてこの状態を保てるという所にあるようですが。

今少しですが水槽全面に藻が出てきています、これはスプライトが育ちすぎか手を入れない?ために水の止水部分が出来てしまっているためです、水が少しは回らないとさすがに仕事ができないという証明?かな。

画像でご覧いただきましてわかりますね、水槽両サイドのチップフィルターだけであります、まことになんとも面白いシステムであります。

■右の画像をご覧ください、これは談話スペースの展示用水槽です。
サイズは4本ともに900mm×360mm(高さ)×300mmです、いわゆる60cm水槽のちょっと長めってところです。
使い勝手と見場の接点に思えて私が好きなサイズでよく使っていたものです。
そこでこのスペースのグッピーの展示に設置してあります、住人は今割合と当店では人気のホリソンブルーのソード系(全身ブルーの伊達ものです)・原種型エンドラーズ(原種ではスターですね)・エンドラーズハイブリッドのエンドラーズブルー(素直にきれいといえる品種人気ものです)・そして長〜いお付き合いのウィーンエメラルドです。

これらの水槽はリニューアル時移動が最後の最後になってしまいまだ調子が戻って半年くらいです、とにかく住人の数が多くいきなりバランスをとるのは大変でした。

現在は安定を取り戻し何事もなかったように澄んだ水に戻っています。
観照的に上出来という訳にはいきませんがランニングコストとメンテナンスを考えるとはなまるのできですね。
また、こんなしょぼい照明でも詰め込んであるスプライトはしっかりと育ます、この辺は「ウォータースプライトの考察」でご紹介いたしましたようにミズワラビとは異なりかなりまでの低光量で育ちます。
不思議な光景ですが、 一度ごらんいただきますと現在主力のろ過細菌主力型のフィルターとの違いを思い知る感が否めない水槽です、ちょっとうなりますよ。

「ではなぜこうした不思議な?手法をとっているのか。」
「飼育するのには普通に飼育すればよいのでは」
そう思われた方もおられれるとおもいます、そうなんですねこの先がこのチップフィルターの重要なところなのです。

こんな経験をされたことはないでしょうか?
例えばブルーグラスを飼育していた水槽があり飼育していたブルーグラスの状態も大変に良く飼育していた個体を別の水槽に移したとします。
その水槽に他の水槽からその水槽へドイツイエローを移したとします、こんな時あれだく状態良くブルーグラスが居た水槽なのですが移したドイツイエローの状態がどうしても状態がいまひとつ思わしくない・・・・。

これはひとつの例で、品種は何でもよいのですが、異なった品種を同列に扱うとこうした現象?がよく起こります、まぁこうした症状の軽いものはそのままにしておけば2〜3日で解消しますし症状が弱い場合は気がつかずにすんでしまいます。
最悪の場合ですと4時間前後で後から入れた品種が水面に浮きあがり死に至ることもあります。
こうした事はプラチナ表現が市場に現れた頃から顕著に出ることが多くなったように記憶しています。
何か感染症を持ち込んだ時に似ていますが、当然それはないものとしてのおはなしですのであしからづ。


■ 各水槽 データー
サイズ 900mm×360mm(高さ)×300mm
照明 LED電球 5.6W 1灯 10時間照射
チップフィルター 1台 フィルターに送るエアーで加温 約27℃〜22℃(冬場)
細目 砕石による嫌気性フィルターの併用
水換え無し・水足しのみ

住人 各品種の自然繁殖・少々のラムズホーン
プロフード・ペビーフード

水中下部 アメリカンスプライト・ウォータースプライト
状態によりプラントフードの添加
 

■ 各水槽 データー
サイズ 600mm×360mm(高さ)×300mm
照明 LED電球 5.6W 1灯 10時間照射
チップフィルター 1台 フィルターに送るエアーで加温 約27℃〜13℃(冬場)
細目 砕石による嫌気性フィルターの併用
水換え無し・水足しのみ

住人 各品種の自然繁殖・少々のラムズホーン
プロフード・ペビーフード

水中下部 アメリカンスプライト・状態によりプラントフードの添加

なぜこうした事が起こるのでしょうか?
少々荒っぽいですが、ザックリとおはなししてみます。

今 例を上げたようにブルーグラスの居たところにドイツ、まぁ逆でもよいのですが 異なった品種を同列で扱うとなぜこうした事が起こるのか?

例のようにブルーグラスとドイツにまったく同じ管理をしたと仮定します、たとえまったく同じフードを与えても しかしながら青いグッピーと白黒のグッピーで表現が異なるのですから当然消化吸収する部分も異なるはずです。
要するに消化する菌体バランスが異なる訳です、この消化バクテリアと飼育する全体の菌体バランスとは密接な関係があり相互関係があるようです。

つまり厄介なはなしをいたしますと各々品種ごと、水槽ごとに菌体バランスが異なるということになります。
この違いがこうした事が起こる原因になっている訳です。

通常こうした違いは1〜2品種飼育している場合はそれほど重要にとらえることはないのですが、飼育する品種数・個体数が増えるに従いこうした問題は無視できないものになってきます、最近は例えば同じにドイツといっても表現はドイツでも内部構造 ようは遺伝的な構造がかなり異なる個体があるように一様でないことが多くなっていて他品種を飼育しているのとなんら変わることはないというのが現状です。

こうした現状の中でマニアの方々もそうですが 私どものように多くの品種を扱う場合すべての品種を安定した良い状態に保たねばなりません。

チップフィルターは 元々はグッピーの感染症を抑える目的で研究開発されてきたものなのですが、その後その他の多くの働きがあることが分かりはじめまして、 現在は今までお話したような目的のための方向でチップフィルターは研究開発されているものです。

簡単にチップフィルターを説明すれば、自然界の約8割の水の浄化をしている浮遊菌体の一つであるセルロース分解菌を水槽内の菌体バランスの頂点に持っていくことで多数は少数を駆逐するという原理と考えていただければよろしいとおもいます。

分解効率は非常に高いといわれており ろ過最近の約3倍近いそうです。
この分解効率の高さによって水換えの頻度は極端に低くなり飼育している水は独特の透明度が得られます。

この透明度は病みつきになります。

  

■ 各水槽 データー
サイズ 900mm×900mm(高さ)×600mm
照明 LED電球 5.6W 3灯 1WLEDランプ 赤2 青2 10時間照射
試作チップフィルター 1台 約27℃〜20℃(冬場)
細目 砕石による嫌気性フィルターの併用

住人 原種型エンドラーズの自然繁殖・少々のラムズホーン
プロフード・ペビーフード

水中下部 アメリカンスプライト・ウイローモス・ミクロソリュウム・ヤマサキカズラ
水上部 ヤマサキカズラ・モンステラ・ポトス・オキシカルジウム・アローカシア・オリズルラン
状態によりプラントフードの添加


■温室の様子です、管理はチップフィルターシステムです。
現在水槽の本数が400本弱になってきています、まぁこのシステムだから維持できているというのが本音でしょうか?
こうした配慮が必要な品種というか魚種はグッピーぐらいでしょうか、複雑になったというよりもグッピー自体のレパートリーが広がってきているということになるのでしょうね。

悪い言い方をするならばポエキリア レティキュラータ自体の定義が緩くなったともいえますが・・・。
それにしてもグッピーというものはそこがまったく見えてこない、なかなかのものであります。

真剣にお問合せをいただきましたので、ザットですが展示水槽をご覧いただきながら説明を加えさせていただきました。
幾分でもお悩みの改善と参考になりましたら。





Canonn EOS 20D CANON ZOOM LENS EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM  Photo/S.kobayashi