■研究リポート 137.


 やっと、ウィング系

■2014年4月の個体

■随分と時間がかかりましたがやっとまとまった表現が得られました。


■ウイングにブラックの表現がはじまった個体、まずムナビレの上部から表現がはじまります。


■ムナビレにこのようにだんだんにブラックの表現が広がっていき成長と共にオスのムナビレのみ長く伸びてきます。

2012年9月にお客様の仕事でご紹介いたしましたものです。

随分と時間がかかってしまいましたがなんとかめどが立ってっきました。

ご覧いただいておりますのは若い個体ですが、やっと思う個体にウィング系の表現を得ることができてきました、とにかくお時間がかかりましたのは立てた設計図上でははなしのように行くはずでしたが。
実際ご本家?作出者であるお客様のところでは、お客様のおはなしを受け売りいたしますと「掃いて捨てるほど出現している」そうでありますが・・・・。
構造的には常の劣勢ホモということのようですが、このウィング系を表現させるには他にいくつかの条件が揃わないと構造的に揃ったからすぐに表現するというものではなのであります。
まずウィング系を表現にたるメラニン量が必要のようです、こうした部分は基本的に淘汰していくという方法しかないようです。

メラニン量を上げるとうことで単純にたとえばタキシードにするというような方法はあまりおすすめ出来ないです。
以前このウィング系はドイツのホワイトウイングの現況であるというおはなしはいたしたとおもうのですが、このホワイトウイングに手を染めていた当時はまだこのウィング系というものは知る由もなくドイツが基本ベースと考えておりました。
そのためにこのウィング系独特のムナビレのみ伸びるという特徴という部分のは着目は出来ていたものの当時では分離確立どころかリボン系と交配することで品種的失速の原因をつくつてしまいました。

現時点ではウィング系として確立できているので当時のようななしくずしにはならないとおもいますが、非常に見極めが難しくなりますので細心の注意が必要になります。
少し補足しておきますと、タキシード品種の場合このウイング系でなくてもムナビレの黒い個体を見受けることが多く、交配させることでこの辺の個体表現との区別がむずかしくなりウィング系からの表現なのかタキシードからの表現ほぼ区別ができなくなる点がひとつ。

またリボン系との交配もかなり複雑なはなしになります、リボンの場合いくつかのタイプが存在しますのでタイプの厳選が必要でウィング系の特徴であるムナビレが伸びるという部分が交配するタイプによってははなしがかなり複雑になります。
制作主に確認いたしましたが、現時点ではウィング系ではメスのムナビレの長伸は認められないということですので、まぁ何かない限りということですが・・・・・・。

このウィング系を表現させるにはまだ面白いところがあります、稚魚を育成する際 光量を強めで飼育するとメラニンの動きが良くなり表現が割合と早くなるようです。
それとこれはこの個体のラインの問題なのかもしれませんが、仔の段階からかなり強い餌を要求してきます。
一般的なフードでは育ちがきわめて悪くわたくのことろでは現在プレミアムプロプードで対処とています、面白い品種です。

第三のロングフィンといわれるウィング系大変に魅力的なものですね。

追伸:このメスの個体表現はまったくの無地メスになります、おもしろいところです。


Canon EOS 20D・EF50mm F2.5コンパクトマクロ Photo/S.kobayashi