■品種研究リポート 72.

 ホリゾンブルーと呼ぶことにしました。


■2011年4月の個体
次の代の若い個体です、若い内は尾びれが幾分黄ばんだ表現になる個体も現れます。
親魚に近づくにつれいちだんと艶っぽい空色になってきます、また無地に見えた個体でも年が行くと弱く斑紋が現れる個体もあります。

親用に残した個体も随分と育ってきまして表現も落ち着いて来たようです。
ボディーの表現はフルに空色のままで艶が増してきたように感じます、若いうちは空色の無地を表現していた個体の中で少数ですが黒い斑紋が現れるものがあります。
この斑紋の表現はエンゼルフィシュのバーテカルラインのように神経的なストレスを与えると強く表現したり消えたりします、グッピーにしては面白い表現です。
尾形はきれいなダブルソードを平均的に表現してきました、交配に使ったメス側のY型ダブルソードをなるべくX型ダブルソードの可能性の高い個体を使いましたので、もしかするとうまくあたっているもかもしれません。

次の代も発色がはじまりました、まだ若い個体ですが雰囲気はほぼ同じです。
ただし数の中に尾びれがいくらか黄ばんだ表現になっている個体が現れます、これは交配に使ったメス側がRヘテロの可能性があり、おそらく得られた仔の赤の部分が抑制され赤ではなく幾分黄ばんで見えるものと思われます。
したがって生まれてくる仔には赤い尾びれの個体は現れません、ここら辺はうまいですね。
何が抑制しているのかは画像からご想像ください。

この辺まで来ると今度は尾びれを付けたくなりますね、さぁどういたしましょうか。

 
■品種研究リポート 70.

 再度、全身青いグッピーを試みる。

■2011年2月の個体
 
得られたF1の仔の中から申し分のないブルー無地が出現しました。
 
 
X
  
オス側になるべくボディーの青い無地のラズリーアクアマリンをつかいました。
 
メス側はY型ダブルソードです。
     

もうこうした全身青いグッピーという狙いは何度となくトライしているのですが、最終的に詰めが甘い結果に終始していて何とかしようと思考の連続であります。

今まではボディーを青く見せるために表現領域の広いプラチナを使ったり、ラズリー・アクアマリンと重ねたりしてきたのですが今回は遺伝的表現を全く今までと逆方向に、つまり今までのように遺伝的表現を足していくのではなく、引いていく方向で交配をしてみました。
いわゆる日本伝統?の引き算型の交配ですね・・・・・・何の話と思わないでください。

この交配でのポイントはメス親に使ったY型ダブルソードです、Xワイルドでそろっているという部分です、これがミソです。何故こうした方向が青くするのに有効なのかはみなさん一つ考えて見てください。

まぁ簡単な話下地をニュートラルに持っていくという方向です、採集物のグッピーにも見られるような手法?です。
画像でもご覧いただけるように狙いはそこそこ当たったようでほぼ無地な個体をかなりの数得ることができました、今回の手法での個体の遺伝的構造ではまだ空きの領域が多いはずですから先の展開が楽しみです。

またこのブルーの色合いが単にブルーというには口惜しく いわゆるディスカスのターコイズブルーとも違う感じですし、もっと透明感があり表現するとすれば、日本風にいえば「勿忘草色」カタカナで言えば「ホリゾンブルー」地平線・水平線(ホリゾン)近くの空の色ていうところでしょうか、青色の表現は難しいですね。
本当に全身単色ブルーに近づいてきたのかも先がたのしみです・・・・・・・・・・・。


Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi