■品種研究リポート 66.


 ルブラを他の品種と交配してみる 1. ルブラバイカラーの作出。

■バイカラーを狙ってまずはラズリーアクアマリンにルブラを交配してみる。
   
若いですが得られたF1個体です、狙いどうりうまくきれいなブルーとルブラ色の塗り分けになりました。
ルブラ バイカラーというところですね。
 
 
      

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交配にオス固体はなるべく全身にきれいにブルーを表現しているラズリーアクアマリンをつかいました。
 
ルブラはウィーンルブラのメス固体をつかいました。
     

ルブラも成立してからそこそこの時間が立ちました、その後簡単にルブラとの交配種がどんどんと出てくるのかと思っていましたが、なかなか思うにまかせないようですね。
独特の表現を持っているルブラをもう少し解りやすく理解していただこうと思い私のところでの交配結果をご覧いただきながら補足をいたしていきたいと思います。

今回ご紹介したのは、グッピーの体をルブラ色とブルーの二色に塗り分けるというものです、今までこうした配色はグッピーにはあり得ませんでした。
近い表現はタキシード品種ですが体半分を黒く塗りつぶしているためこうした抜けるような美しさは期待できませんでした、どちらかというとドイツイエローを代表したコントラストで見せるというものでした。

まず単純にルブラとラズリーアクアマリンを交配しました、上の画像でご覧いただいているようにF1からきれいにバイカラーになり早くも狙い目に近い個体を得ることができました。
ここで一つ付け加えておきますが以前ご紹介したネオンテトラグッピーとは表現は似ていますが基本的な構造はことなります、今ご紹介している個体の方が遺伝的な構造は単純でそのため体前半のブルーの部分の発色は非常にきれいです。

このような交配結果を見ますと、うるさいお客様は
「そうか、ルブラ表現は常染色体かX型なのだな」
と理解されたと思います、これがルブラの面白いところで似たような交配をしてもF1ではルブラを表現しない場合もあります。
またルブラ表現の出現が半分であったり、F2で分離してくる場合もあります。
これはルブラと交配する相手側に原因があります、通常遺伝的な表現はいる場所がどこであれホモ状態・ヘテロ状態でそれなりに表現をしてくれます。
ルブラの場合遺伝的にそろってもそれを受け入れてくれるのに条件があります、ルブラを表現する遺伝的な下地が必要というと解りやすいでしょうか。

今回のような交配では特にラズリー・アクアマリンという表現をどう捉えるのかというのがひとつのポイントになってきます。

まぁそれにしても美しい個体です。


Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi