■雑学講座 3.

ウォータースプライト考察 3.

Water sprite consideration 3

■スマトラ スプライトのその後。


 
美しい萌黄色の繊細な葉型を見せるこの頃のスマトラスプライト水中葉です。

■いただいてから約四年がたったスマトラスプライトのお話です。

前回のウォータースプライト考察 2.でお話してからまた一年がたちました、私どものようなグッピー中心の飼育水槽で一旦順調に育成がはじまりますと大変に扱いやすくまったくウォータースプライトと育成条件が変わらなくなってきました。
まさに淘汰の産物と考えて間違いなさそうです、何本かの水槽に分けて育成していますが、各水槽によって淘汰の速度に時間差がやはりあるようでウォータースプライト考察 1.でお話した最初にお譲りいただいたウォータースプライトの育成条件にパラつきがあったのもうなづけるところです。

今までこのように長期に渡ってひとつの品種を見てくることがなかったため、端的に育つ育たないという分り易い部分でこのようにハッキリとした変化が草体に現れてくることはある意味で驚異であります。
このように見てくるとやはり順応というよりは淘汰であることは間違いなさそうですね。

また このスマトラスプライトを良く観察してきた結果 育成条件によっては淘汰にかかる時間にかなり差があることも解ってきました。
例えばフィールドからこうした個体を幸運に採取出来たとして、こうした個体たちのようにアクアリュームという特殊な環境で育成できるように淘汰が上手く進んだ個体は大変に貴重なものといえます。
つまり、フィールドから採取した個体であってもこうしたアクアリューム向きの固体に必ずなるとはいえないわけです。

ですから、フィールドから採取した個体を淘汰を期待せずフィールドに近い環境を再現していく方向で、解りやすく言うと水銀灯やメタルハライドのような高光量で二酸化炭素濃度を上げて育成すると淘汰は進まず育成環境は変化していかないというわけです。

こうして大変に扱い安くなったスマトラスプライトですが、これから先どう変化していくのかはとても興味のそそられるところです。
これから先のお話は想像の範囲を出ていませんが、こうした草体の変化は多くの品種に見られる訳では有りません。
通常の水草とは異なりこうした水性シダは葉の裏に付ける多量の胞子によって繁殖出来ます、この絶対量を持っていることで、ある程度の時間で育成環境を変化させられるのかも知れませんね。

■品種による葉型の違い

■スマトラスプライト水中葉
しっかりとした美しい葉型です。
■ベトナムスプライト水中葉
一昔前までアメリカンスプライトと呼ばれていた個体です、水上葉に比べ水中葉は細く葉先がいくらか下向きにになるのが特長です。
■ウォータースプライト水中葉
やはりこの雰囲気はグッピーには王道ですね。
このように高光量型の水性シダを比較してみるとなかなかどれも特長がありまた扱いやすく面白いものです、そこでまた水性シダの登場です。
 
■ネグロウォーターファンというもの。
 
 

いただきものなのですが、お話だと南米パンタナル・ネグロ川産の浮き草の一種ということで入ってきたものだそうです。
見た目は古い書籍にモノクロで紹介されているウォーターファンそっくりであります。

見た目はどう見ても水性シダの一種に見えます、 かなり厚ぼったい浮き葉を作りますので浮き草という表現になっていると思われます。
ウォータースプライトも浮き葉を作らせるとネグロウォーターファンほと大型にはなりませんが似たような浮き葉を作ります、また水上葉はやはりウォータースプライトに葉型が似た大きな葉を作ります。

まだいただいて半年ほどですのでハッキリとしたお話が出来るところまで来ていませんが、水質にはあまりうるさくないようです。
さすがに大型になる個体ですので液肥は欲しがるようです。

面白いのは通常こうした浮き草のスタイルを取る個体は葉の表面以外は水の中で、水上は空気が乾燥している環境を喜ぶものが多いのですが、この品種はどちらかというと水上部分はある程度湿度があった方が良いようです。
低光量に問題がなく育成出来アクアリュウム向きといえます、先が楽しみです。
稚魚の隠れ場所や水面の遮光など利用頻度も高いと思われます。



Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi