■品種研究リポート 76.

ツタンカーメンに再度オレンジダブルソードを交配

■2011年4月の個体です
 
ツタンカーメンの尾形の表現が弱くなってきたので、再度オレンジダブルソード(Y型ダブルソード)を交配させてみました。
一度交配させてあるせいか表現的な混ざり具合は前回の交配より双方の表現がうまくまじりあったものになりました、画像の個体はまだ若いものですが、前回では見られなかった尾びれの淵にオレンジ色がさし始めています。
これはオレンジダブルソードのと特徴です、また全体の柄が非常に繊細になり体格も改善されました、まだ尾びれは伸びそうです。
このくらい雰囲気が変わりますと表現的には好みも出てくると思いますがここら辺はレース系の面白いところですね。

■品種研究リポート 65.

ツタンカーメンというもの

■私のところで交配作出したツタンカーメンの若い固体です。



■ツタンカーメンというもの
左の画像は昭和40年代に発行された書籍です。
右上の画像がツタンカーメンとして紹介されたものでキングコブラのダブルソードテール・タイプとして紹介されています。
今でいうところのレースのソード系品種の一つであります、ここで少々引っかかるのはダブルソードというところです。
基本的にレースはトップソードであるため何らかの力が働かないとダブルソードの表現にはなりません。
ツタンカーメンについてご質問をいただいたのでこんな部分に触れていみたいと思います。

■ツタンカーメンを作出するには。
ツタンカーメン(レースダブルソード)を作出するには色々な交配方法があると思いますがここでは二つの作例をご紹介してみようと思います。
■オレンジダブルソード♂×X型レースラウンドテール♀
■ウィーンエメラルド♂×X型レースラウンドテール♀
    
  
オレンジダブルソード♂
ウィーンエメラルド♂
×
 × 
X型レースラウンドテール♀
X型レースラウンドテール♀
        
得られたF1個体です「ツタンカーメン」になる
得られたF1個体です、尾形が定まらない

通常ダブルソードというとウィーンエメラルドを思い浮かべる方が多いとおもいます、前回ウィーンエメラルドの秘密でご紹介しましたようにウィーンはダブルソードではないので他品種へ交配させてダブルソードを表現させるのはむずかしいものです。

それに比べオレンジダブルソードはY型ダブルソードであるため雄を用いた交配ではF1個体から綺麗なソードを表現できています、このように一見似た感じの品種でありながらこのようにほかの品種を作出するために交配に用いいた場合結果がかなり異なってくる訳です。
このようにはっきりとした構造を見て交配され作出されてきた品種の場合長期にわたり代が進んで表現がゆるくなってきても立て直しは簡単にできます。
このツタンカーメンの場合などはおそらくオレンジダブルソードの雄にもどしていただければたぶんまたはっきりとした表現が得られるようになる訳です。
やはり品種としての基本的な構造を理解する事は大変に重要になってきます。


Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi