■雑学講座.2


ウォータースプライト考察 2.

Water sprite consideration 2.

ウォータースプライトには色々な葉型があります。
 
■これが昔ながらのウォータースプライト
■アメリカンスプライトの名で販売されているベトナムタイプ
   

■古い写真ですが、これが当時のアメリカンスプライトです。
現在市場で流通して水中化出来るアメリカンスプライトはすべてベトナムタイプになっておりこの写真のようなウィータースプライトの葉の切れ込みが細かくなったタイプは見ることができなくなってしまいました。

   

現在ウォータースプライトが水中化するタイプが少なくなっていることはお話以前お話いたしました。
今回はウォータースプライトの種類についてお話したいと思います、今までウォータースプライトは葉型の違いからウォータースプライトとアメリカンスプライトとの二種類に分類されてきました。
近年ウォータースプライト自体水中化が難しいものが多くなり、またアメリカンスプライトに至っては昔のタイプは全く水中化していないことに驚かせれました。
以前からウォータースプライトに関しては問屋さんサイドからかなりの量仕入れましていったん水上化し活力を付けたところで水中化を狙ったのですがことごとく枯死してしまいました。
その中で一株だけ水中化できましたが残念ながら?ベトナムタイプでありました、このベトナムタイプというのは当時のアメリカンスプライトの葉型とは異なりかなり葉型が細く先端が下方に垂れて見えるのが特徴です。
別にこれが悪いという訳ではないのですがいわゆる当時のアメリカンスプライトとは異なることは事実でした。

また当時はアメリカンスプライトにこのベトナムスプライトがまざっていることも多く水中化して時間が経過するとベトナムタイプ独特の葉型が細く先端が下方に垂れて見えるのが特徴が現れてくるという表現形態でした。
しかし現在のこのベトナムスプライトとは水中化した個体は最初からベトナムスプライトの表現をしています。
結局当時のアメリカンスプライトの表現が出来る個体は見いだせることはできませんでした。

            
 
■スマトラスプライトと言われるスマトラ島産の水性シダの一種。

そんなこんなしている時、お客様からスマトラ島産の水性シダということでいただいたのが上記の画像です。
いただいた時のお話では背丈はあまり上がらず成長はかなり遅いというお話でした、いただいたのが2007年ですからすでに2年がたっていまます。
確かに初めのうちはミクロソリュームなみの成長速度で確かに葉の大きさも5〜6cmでのびも止まり葉が3〜4枚出ると最初の葉が枯れるという事をくりかえすというしなもの?でした。
そうしてシダでありますから葉から子芽が出てきます、これも通常のウォータースプライトのようには成長せず出ては枯れるの繰り返しであり「なんだこりゃ」という感が否めないのは事実でした。

しかしこれが大変に面白い流れであり、大変に興味深いものになりました。
環境は得意の全く水換えをしない水槽で放置をしまして一年が過ぎた当たりからですが、今まで全く育つ気配をみせていなかった子芽の中からひとつ二つが枯れずに残るようになってきました。
そうして最近はこの子芽を砂地に移すと確かにウォータースプライトなどに比べると成長は遅いもののきちんと育つようになり葉のサイズも水深40cmの水槽の水面まで伸びてくるようになりました。
約2年の歳月がかかりましたが、こうした成長の変化を目のあたりにしますと仮説ではありますが順応ではなく淘汰であろうとい事が実感として味わうことができた訳です。

このようにライトグリーンの水性シダは高光量型といわれているものが、ある程度の時間をかけて環境を制限することで低光量型に淘汰されてくる可能性を感じました。
ウォータースプライトなどもこうした環境の制限が先人たちの仕事のによってなされたものなのでしょう。
最近のアメリカンスプライトのペトナムスプライトというべき水中葉が形成されるのもこうした淘汰の末の結果なのかも知れません。

こうして見てきますと当時の水中化したアメリカンスプライトはいったいどうしたものなのかという興味がでてきますね。
残念ながら現在当時のような表現をするものを見かけることが出来ないので想像の域を出ないのが口惜しいところです、
ウォータースプライト型の水性シダどうしの交配説など大変に興味深い話も出ていますのでこれからが楽しみなところです。
 


Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi