■研究リポート 43.


似て非なるもの・ウィーンルブラの話


■ルブラ表現とは
□最近お客様からこんなご質問をいただくことが多くなりました。
「○○の仔から腰の部分が赤いものが生まれてくるんですが、これはルブラですかね?」
こうしたお話の場合、私はこんな答えをしています。
「すみませんが私が飼っている個体ではありませんので判りません、ご自分で判断していただくしかないですね」
また、段々に荒い話のルブラ偽というものも出回りはじめているようなので、この私どもが目指したルブラのお話を少し致したいと思います。

RREAウィーンルブラの固体を角度を換えて撮影した画像です。

今絶品と評価をいただきましたRREAルブラを他品種と交配する仕事をしておりまして、これら交配した仔のなかからこのルブラの説明にちょうど上手い固体が得られましたので、この固体にて解説してみようとおもいます。

上記の画像をご覧ください、これがルブラ表現の真骨頂であります、左右の画像とも固体の角度を変えて撮影した画像です。
見る角度によって腰の部分がこのように赤から紫・青紫と変化して見えます、そうですねまるでレインボーフィッシュのような独特の色彩変化です。
今までのグッピーではこうした色彩表現は見たことがありませんでした。

この画像もRREAルブラを角度を変えて撮影した画像です、この微妙な色彩の変化をご理解いただけますでしょうか。
似て非なるもの
□以下の固体の画像はRREAルブラと他品種との交配から得られた個体です。
一見RREAルブラと区別が判らないですね。
しかし、こうして角度を変えてみても色彩は変化しません。

□ではRREAルブラと比較してみましょう。


右の固体がRREAルブラです。
中央の固体がルブラでは無い固体です。

こうして比べて見て頂くとより判りやすくなると思います。
ルブラは背骨が見えるほどの非常に高い透明度を持っているのに対して、一方の固体は赤の表現に下地に反射する層が明らかにみえます。
こうした層が現れるとルブラ独特の色彩変化は表現する事が難しくなります。
また通常のレッドテールの赤の色素胞は手を広げベタっとした表現方法で、このようなルブラのように透明度の高い表現は出来ません、通常の交配から現れる腰の赤色はこのような表現が一般的です。

ルブラの場合この抜けるような透明度の高さと独特の赤色表現、これが無いと独特のルブラ表現が出来ないのであります。
普通体色のルブラも全く同じことが言えます。
普通体色の場合ルブラの仔の中からまるでアクアマリンのようにブルーの強い固体が出現することがありますが、こうした固体はこの反射する層を持った固体で淘汰をしていかないと近い将来ルブラ表現が出来なくなります。
ルブラもできあがってまだ日が浅いので多少のブレは仕方ないところですが、交配種の話と混同されないように。
ルブラの神秘に一歩近づけましたでしょうか。



Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi