■品種研究リポート 基本編No.4


ブルーという名のグッピーたち

Guppies of the name of blue

青色である事、黒である事
 
言わずと知れたUSブルーデルタ
これはUSブルーデルタ、尾びれの顕微鏡画像です
黒味の強いものが少なくなったと言われるモスコーブルー
モスコーブルー、尾びれの顕微鏡画像です
ブラオであります
ブラオ、尾びれの顕微鏡画像です

まずは三種類のブルーといわれる品種を並べてみました。
まず各顕微鏡画像をご覧ください、どの画像にも一面に黒い点が見えます、これはメラニン細胞です。

これらの画像からどの品種にしても、けして青色の色素細胞があって青い尾びれに見えている訳ではないことがお分かりいただけると思います。
簡単な話基本的にはどの品種もブルーではなく黒、ブラックなのであります。
ブラオなどは、昔から「ブルーのことで」などと言われつづけてきましたが、これこそ正にメラニンで、ブラオはブラックそのものであります。

ではなぜ青く見えるのか?これは適当に配列したメラニン細胞が乱反射することで青っぽく見えている訳です、乱暴は表現をすると真っ黒なたとえば石炭のようなものが見る角度で青く光って見えるようなものであるようです。
ですからこれらの品種のブルーはあくまでも黒っぽいブルーなのであります。

ここで、モスコーブルーのブルー付きましてはもう一ひねりあるようですが、こうしたブルーに見え方もあるということを理解していおいてただきますと、ブルーグラスの青く見えるのように、第二段、青く見えるであります。
こうしたブルーがあることを覚えておいていただくと随分とブルーという表現が理解しやすくなるとおもいます。

たまにお問い合わせいただく問題の?左側ブルーデルタ・右側パープルデルタであります
この顕微鏡画像は左側ブルーデルタ・右側パープルデルタです

お客様とのお話の中でこのブルーとパープルの話が出ます、「仔をとるとブルーのようなパープルのような色合いが落ち着かない」と言うはなしを耳にします。
私のこの品種をはじめて見せていただいた時に同品種の単なる色分けかな〜と思ってしまいました。

しかし、調べていただきますとブルーとパープルはきちんと整理された品種であることが解かりました。
上記の両品種の顕微鏡画像をご覧ください、双方とも先ほどの品種たち同様一面にメラニン細胞が点在していますが画面から見ると全体の透明の違いに気づかれるとおもいます、つまりブルーデルタは下地がモザイクになっておりパープルデルタではグラスになっているこのが解かります。
このUS系ブルーは常に赤が条件であるお話は以前いたしましたが、このグラスとモザイクの違いにより透明度の高いグラスのものは赤色がぬけて見えブラックブルーと合わさりパープルの表現になりモザイク側は透明度が低いためにブラックブルーの表現になるわけです。
きちんと区分けされた品種であることが伺えます。

ですからこの品種同士を一度でも交雑させてしまうとグラスモザイクですから当然表現は不安定になってしまう訳です。

私のところでは幸いにも交雑する前に、このような事実にめぐり合う事が出来まして安定した品種を現在も維持できています。
やはり見た目だけでは判断できない部分もある訳ですネ、教訓になりました。
しかし、こうした表現方法はなかなかのものです。



Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi
顕微鏡画像についてはDr,G氏より許可をいただきお借りしました