■品種研究リポート 23


エンドラーズからラクナデバドスそしてグッピーへ

From Endler‘s , to Laguna de Patos and guppies

まずエンドラーズとラグナデバドスを比較してみる
 
■ホルモン処理された原種型エンドラーズの雌個体
■言わずと原種型エンドラーズの雄個体
■ホルモン処理されたラグナデバドスの雌個体
■ラグナデバドスの雄個体

エンドラーズ(ここでいうエンドラーズは表記が無い限り原種型を指す)に関しては今まで色々な話が耳に入ってきていた。
本当にエンドラーズはグッピーではないのか?
この疑問に関しては前回まで3回にわたり確かに違いがあることをお話してきました。

ではエンドラーズ自体はどうなのであろうか。
私が聞き及んだ話では、現地の同じ場所で10回採集すれば10回ともエンドラーズの模様にはバラツキがあると聞いています。

そこでエンドラーズといわれる中でも独特な風合いを持ったラグナデバドスというタイプとエンドラーズといわれるものを比較してみることにした。

Dr.G氏のお力をお借りして、通常は双方とも無地の表現しかしていない雌をホルモン処理していただいた、上記ご画像をご覧あれ。
エンドラーズの雌はこめかみ辺りにオレンジ色が認められるのに対し、ラグナデバドスの雌はまったくの無地である。
私はこの2タイプ、雄側のカラーの違い大変に興味がありました、多くのカラーバリエイションをもつこれらエンドラーズの色合いの変化はひとつの形として成り立っているのか?と言う疑問でした。
あけてみたらみな同じって訳ではないのか?

ここに確かに品種として違いがあることが証明されました。
では色素細胞はどうなのか、これは前回お見せしたエンドラーズとまったく同じ構造をラグナデバドスも持っていることが判りました。

こうした違いは大変に興味深いですネ。

ではグッピーと交配した場合はどんな見分けがあるのか?
 
これは上記の画像で説明しているようにゴノボジュウムの顕微鏡画像です。
ここにのエンドラーズ対グッピーの違いがあります。
原種型エンドラーズのゴノボジュウム
ラグナデバドスのゴノボジュウム
グッピー型エンドラーズのゴノボジュウム
比較用にアルビノ種グッピーのゴノボジュウム

顕微鏡画像の先端のフックが交尾するためのものです。
その下一列に並ぶフックが問題です、この部分が精子嚢が流れてくる部分でこのフックによって精子嚢が破れ精子が放出されることになります。
このフックの数に注目してください。
エンドラーズとラグナデバドスは同じなのですが、グッピー型エンドラーズとアルビノ種は異なった数になっています。
もっと面白いのはアルビノ種とエンドラーズの中間がグッピー型エンドラーズの数であることです。
これは判りやすい決定的な違いになります、これでグッピー型エンドラーズと原種型エンドラーズは容易に見分けることができます。
これは革新的な根拠です。
では、なぜそれほどこの違いにこだわらなくてはならなのか、それをこれからお話しましょう。

原種型エンドラーズ・ラグナデバドスそしてグッピー型エンドラーズ
 
これから先は画像が少々画像がグロになりますので、気の弱い方はおやめください!
 
 
ウロコを取り去ったエンドラーズ
ウロコを取り去ったラグナデバドス
ウロコを取り去ったグッピー型エンドラーズ

この画像をご覧いただくとおわかりいただけるとおもいます。
きつい画像ですが、ウロコを取り去っただけでグッピー型エンドラーズは体の模様がほとんど消えさっています。
これに対して、エンドラーズ・ラグナデバドスはきれいなコントラストを見せています。
この違いがもうひとつのエンドラーズとグッピー型エンドラーズの違いになります。

このように、エンドラーズとグッピーとは、おおくの点で違いがあることが伺えます。
だから絶対的に」エンドラーズとグッピーは別物かと言うとこの一線も非常に微妙なものになります、なぜならば交配できると言う点です。
まあ、このくらいの違う部分があり、むやみに交配させると双方の特徴を簡単に吸収してしまうということを覚えておいてほしいとおもいます。

たまにこんなお電話をいただくことがあり、
「おたくで販売うぃているエンドラーズの採取地はどこですか?」
「同じ場所で採集しても同じタイプのエンドラーズは採集できないようですヨ」
「どうしてもお知りなりたいようならご連絡いたしますが、意味ないんじゃないですか」
「そらりゃまあそうなんですが」
こんな会話になります。

そもそもエンドラーズ自体水槽で飼育した場合パターンが変化するのは通常のようです。
私どもでエンドラーズの販売をはじめたころいろいろとお話をいただきました、ある程度でパターンがバラケテクルはずとか、長くは続かないヨとか、いわれたのですが2年になりますが今のところなから同じパターンを守っています。
ラグナデバドスにように得意なパターンも続いているのですから私としては不思議はないのですが。
パターンの変化しないエンンドラーズある意味で不思議かも。

まだ研究の余地は十分にありそうです。


Canon EOS 10D・EF 50mm Compact-Micro Photo/S.kobayashi