グッピー飼育の夏場対策-2023
                             

今年は気温の上下が激しくかなり日中の気温が高くなっています。
例年にない対策が必要ですね。

夏場がこれから心配です、高温時の対策をしてしっかりしてなんとか乗り切りたいものです。

これからグッピーたちをどうやって夏を乗り切るか、考えておかねばなりませんね。

そこで、恒例ではありますが夏場の高温期の対策につきまして、おはなししておこうとおもいます。

当然ではありますが、エアコンなどで水温を30℃以下に保てるのであれば理想で、問題はないのですが、ことしは光熱費の高騰でそこまでは望めないとしても、夏場を乗り切る知恵として、以下お話いたしますので、参考にしていただければと思います。

■まず飼育器具に対する対策

*水槽のフタを開けておくこと・・・・・・・・・・・・・

これはフタを閉めておくと熱がこもり水温の上昇を助けてしまうからです、フタをはずしておくことで1℃は違うと思います、その際グッピーの跳ねだしを心配されるようでしたら、ガラスのフタの代わりに樹脂のネットにするとか、かんたんあ方法としては水位を少し下げて置くのも良いと思います。

*蛍光灯を水槽水面より10cm位は持ち上げる・・・・・・・・・・・・・・・・

このごろはLEDの照明が多くなりまして幾分かは楽になりましたが、LEDの照明も球自体は熱は出ませんが他の部分はやはり熱源になります。

水槽の上で直に蛍光灯を点灯すると蛍光管や蛍光灯のトランスの発する熱でやはり1℃以上水温が上がります。
そこで蛍光灯の下に何か入れて、蛍光灯を水槽からもちあげます。

このごろは、大金を出せばこじゃれた専用の器具が販売されておりますがそこまでしなくても木片の半材などでもかまいませんのでとにかく蛍光灯を水面から離します。

また、日中は気温が上昇しますので昼間は蛍光灯は点灯させない、点灯させる場合は必ず日が落ちてからというのも方法です。

*出来ればマネットポンプ式のろ過器は避ける!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このごろは濾過器に水中式のマグネットポンプを使用しているタイプのものを多く見かけます、この手の水中モーターは水槽内の水使って自分を冷却していますので冬場は良いのですが夏場は水温を上げてしまいます。
出来ましたら夏場はお勧めできません、水槽用のクラーでも使用していれば問題はありませんが温めながら冷やすもの考えものかもですが。

*エアーレーション(水槽内にエアーストーンなどを使いエアーポンブで空気を泡立てること)は強めに。

一所であまり強くエアーレーションしますと、水槽内がかき回りすぎてグッピーには不向きな環境になってしまいますので、弱く二か所くらいで
エアーレーションするなどの配慮がよろしいとおもいます。

*ファンなどを使って水槽に向けて風を入れるのも効果的です、気化熱で幾分気温の高い時は効果的です。

  


■夏場の管理の注意点

*出来れば日中は蛍光灯を点灯しない・・・・・・・・・・・・・・

先ほどお話しましたようにたとえ蛍光灯・光源を持ち上げてあっても昼間は気温が当然上がりますので日中は点灯しない方が無難です。

照明は必ず、日が落ちてから!がよろしいかと思います。

*夏場の水替えは少ない量で頻繁に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夏場は水温の上昇に伴いどうしても酸欠気味になります。

これは溶存酸素(水の中に溶け込める酸素の量)と関係があります、雑な表現をすれば水温25℃と30℃の水を比較しますと30℃では溶存酸素量は約半分になります。
ですからどんなに強くエアーレーションをしてもたとえ純な酸素を水中に放出しても30℃では酸素量が半分になってします訳です。
とりあえず、安全をとって夏場はエアーレーションは強めにしていただいた方が無難ですが。

もうひとつ問題があります、水は古くなるにつれてその水槽、各々の溶存酸素のピークに達するまでにだんだんと時間がかかるようになります。
溶存酸素のピーク量は変わらないもののピークまでに時間がかかるようになるということはそれだけ酸欠状態が起こりやすくなる訳です。

ピーク量が減りピークになる時間がかかるのではたつ手がありません、そこで夏場は水替えの頻度を上げたいのですが一度に多量に交換するのは乱暴なので、夏場は少ない量で頻繁に水替えすることをお勧めします。

今年は例年になく気温が高いので水換えは頻繁に行った方が良いかと。

*あまり水槽に詰め込まない!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

仔を採りますとどうしても過密ぎみな飼育になります、酸欠気味になる時期ですから薄飼いが基本です。

夏本番の前に据え過ぎた個体は少し淘汰しておくといいでしょう、それかヒーターの問題無い時期ですから大き目の水槽へ。

夏場ですから屋外でなんて言うのもよいかもしれません、私のところでは淘汰分のグッピーで販売にそぐわないものは毎年のことですが、屋外のベニコウホネの樽のボウフラを食べてくれるように飼育しています、ドイツイエロー・ホリゾンブルー・プラチナ系などは屋外では日に映えてとてもきれいです。


*野外飼育の効能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

余談でありますが、野外で日を強くあびてグッピーを飼育するとそれなりの効能?があります。

水槽下に比べ桁外れの高光量により各個体の持っているメラニンが活性されて来ます、たとえばコントラストで見せるドイツイエローですとか、メラニンベーズで見せているプラチナ表現などはメラニンが活性することで表現が強く見え大変に美しい個体になります。

しかし、よいことばかりではないのでして、ブルーグラスのように淡い表現の場合は黒味が増して、汚いというと語弊がありますが表現になってしまうものもあります。
またドイツイエローなどは、水槽下ではきれいな無地表現でいた個体がメラニンンの活性化により表現がきつくなり野外ではシミシミの個体になったりもします、これはある意味本来のすがたなのでありますが、飼育されている個体の正体?が垣間見えます、面白いですよ。
また、ワイルド系の品種ですとかエンドラーズとかこうした快活な品種は水槽内では見せないような活発な動きを見せてくれます。
野外飼育、淘汰する個体で、一度チヤレンジして見ても面白いです。

余談ついでに、レッドラムズホーンってきれいな赤色ですね、これ太陽下で飼育すると真っ黒?真っ茶色になります、これもメラニンの活性化のたまもの?ですね。
まぁ、アルビノではないっておはなしでした、本当に余談でした。
メダカも結構ですがやはりグッピーって奥がありますね、野外でも、でした。

   



■もっとも重要なポイント 夏場の餌の与え方


*フードを与えるのは必ず、日が落ちてから!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水温が28℃を超えないかぎりは問題ありませんが、28℃を超えると色々と問題が起きてきます。

夏場ではこの問題が一番大きいと思われます、先ほど水温が高くなるにつれて溶存酸素が低くなることはご理解いただいたと思うのですが、これが餌と大きく関わってきます。
水温が徐々に上昇し28℃を終えても直接時にすぐ死に至る訳ではありません。
28℃を超えた水温環境で餌を与えると体内の酸素消費量が増しますここが問題です、餌を与えることにより必然時に酸欠を引き起こすわけです。
こうした現象は、餌を与えてから少し時間を置いて水槽を観察していただきグッピーたちが水面に浮きあがるようですと疑ってかかる必要があります。

万一このようにグッピーが水面に浮きあがるような現象が出るようでしたら、ただちに水量の三分の一程度でいいですので水換えをしてください。
エアーレーションを強めにして、前項でおはなしした方法で水温が上がらないように努めてください。

このような処置をしても水温が30℃を超えるようでしたらその日は餌を控えた方が無難です、いったん酸欠を起こした個体は短時間では問題ありませんが鼻上げ状態(グッピーの呼吸が荒くなり水面に浮きあがる状態)が30分以続く様ですと人間で言うならば首を絞められたのと変わりませんから脳をやられてしまいます。
こうなりますとその日は何にも変化は見られなくても急に餌食いが悪くなりだんだんに衰えて死に至ることになりますので用注意です。

フードを与える時間帯ですが、午前中は避けた方が無難です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エアコンなどで室温をコントロールしている場合は別として、これから気温が上がる午前中にフードを与えるのは危険です、フードをしっかり食べた後水温が上がる訳ですから最悪の結果になりやすくなりますので是非避けてください。
フードをあげるのも必ず、日が落ちてから!

*消化の良いフードを!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

また、酸欠について付け加えますが、こうした高温時でなくても消化の悪い餌を与えますと餌を与えた後幾分と鼻上げ症状が出ることがあります、こうした餌は夏場は避けて消化の良いフードを与えてください。
水温の上がる時期の前に今ご自分の与えてるフードを一度良く観察しておくといいでしょう。
高温で消化の悪いフードではたまりません、生きる術がありませんね。

*感染症対策は万全に!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私どもでお付き合いいただいておりますお客様には全く問題無いお話ですが、不幸にも感染症のキャリアになっている個体は、こうした原因は別として酸欠気味になる環境では非常に不安定になります。
ハリ病が再発したり急に体調を崩したりといろいろと起こります、こうした場合は対処の方法が無いのが現状です、とにかく感染症は持ち込まないこれは鉄則です、夏場のようにどうしても酸欠状態を誘発しやすい環境下でしすと今までキャリア状態で症状が表に表れなかった個体は急に発病し症状が現れることが多くなります。
何度も言いますが、持ち込まない、灰色の個体には手を出さない、これにつきます。

このところ一見落ち着きを見せているように見える感染症ですが、依然要注意です。
感染症自体一度持ち込んだ固体はその症状を抑えることは一時的に可能ですが治るわけではありません、キャリア状態で持ち続けている訳ですからこの夏場はとにかく持ち込まないように気配りをおすすめします、いくらかでも灰色に見えるものは避ける、これは基本です。

チップフィルターの使用や、お手軽に使えるウィータースプライトきざみ汁など好評です、とにかく持ちこんでしまうと基本的には手のうちようがありませんので、とにかく持ち込まないこと、毎年の事ではありますが
一応書き添えておきます。
よほどの思い入れのある個体という訳でなければ、基本的に感染症の疑いのある個体はかわいそうではありますが処分された方がトラブルはすくなくなります、以後安心な飼育を楽しんでいただけるようになります。

■まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水温が30℃をこえたら餌をあげない・水換えは頻繁に・薄飼い・感染症の疑いのある個体は処分する、今年も
水換え頻度を上げる。

■基本的にグッピーは丈夫なものです、私のところでは・・・・・。

何度もいう様ですが、30℃以下に水温が保てれば理想ではありますが現実難しい訳ですが。

元来グッピーは大変丈夫なものです、うまく管理していただけましたらそんなに難しい話ではありませんので、私の温室では例年です日中の気温を見ながらエアコンをということですしたが。
どちらでもそうでしょうが、何分とこの所の光熱費の高騰は頭の痛いところでありましてお気楽にエアコンをという訳にも行かず・・・・。

信州の場合は日が落ちますと気温が23〜24℃くらいに落ち着いて来ます、そこで外気をなるべく温室に取り込むようにして日が落ちてからフードを与えるようにしています。
そうしないと、かなり水槽にグッピーを過密に飼育していますので酸欠でグッピーを落とす場合が出て来ます。
また、大型のチップフィルターを使い2トンくらいは常時飼育水のストックをしていますので、状態によっては全量の水替えをすることで対処しています、この際この辺は水道水の水温が割合低いのでカクテルして水温を28℃前後に調整しています。
この辺は信州の利点をフルに使っております、関西のお客様にはうらやましがられるところですが。

例年通りとすれば信州諏訪はお盆過ぎますともう秋の気配になりますのでもう少しでしょうかね、あくまで予定ですが。
参考になりましたら幸いです、それでは。